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ツルツルちゃん(仙田学)読了

ツルツルちゃん (NMG文庫)

まず最初に、
仙田学様、献本依頼どうもありがとうございます。普段ならば一も二もなく引き受けるところですが既に購入していてため、感想記事を書くことで返礼とさせていただきます。
というわけで自費で購入したためにステマ分0%の感想ですよーやっほほーい


一見するとものすごくわけのわからない内容である。おそらくラブコメなんだろうが登場人物は誰もかも突飛で奇天烈な行動を繰り出して、それをうまく噛み砕く余裕もなく次の行動へと連鎖していく。最後までヒロインたちの行動原理は明示されず主人公と読者の頭にはひたすらクエスチョンマークが並んでいく。「え、なにこれ」「結局ツルツルってなんだったの?」「なんでツルツルになってるの?」「カバディどうなったの?」
謎が謎を呼ぶ作品である。ちなみにミステリーではない。


これらの謎は作中の誰にも(おそらく作者にさえも)説明できないのではないかと思う。
どの登場人物も素直でなく、正直に想いを伝えられない。潔癖症の未来も、表と裏を使い分ける兎実も、瓶底メガネの羊歯ちゃんも、それらに振り回される主人公も、誰ひとりとして言葉に想いをのせない。言葉にならない想いが暴走して、最後に残ったのがツルツルちゃんだった。何言ってるかわからないと思うけど途中からの展開の予想不可能っぷりは凄まじいので未読の人にはぜひ読んで貰いたい。読んでる途中に感じた不安でも期待でもない言い知れない高揚感は言葉じゃ伝えられないだろう。


言葉選びも秀逸でところどころにギャグ要素もあるのでよどみなく読めるのだが、いかんせん薄い。ページ数どうにかならなかったのだろうか。

ツルツルちゃん (NMG文庫)

ツルツルちゃん (NMG文庫)