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主ラノ^0^/ ライトノベル専門情報サイト

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おっぱいの夢を見る人間と血を吸う夢を見る吸血鬼 『ヴァンパイア・サマータイム』について

ヴァンパイア・サマータイム (ファミ通文庫)


石川博品といえば官能小説も真っ青のドエロ小説を一般向けライトノベルレーベルで書き続ける作家として有名である(大ネルリの歪曲!)
新作がいまさらすごいすごいと大合唱されているがすごいというかエロい。エロすぎる。
みんなエロエロ連呼してもどんびかれるだけなので仕方なくすごいで代替えしてるが自分は声を大にして叫ぼう。「ヴァンパイア・サマータイム」超エロい!!


第一に禁忌を犯すエロスである。
「ヴァンパイア・サマータイム」では社会に適合した普通の存在として吸血鬼が描かれる。昼間の世界を過ごす人間と夜の世界を過ごす吸血鬼。両者には大きな差はないがその間にはひとつのタブーが存在する。
吸血鬼は人の血を吸ってはいけない。人の血を吸うなんて異常者だ。輸血パックがあるのにわざわざ人から直接吸う必要がない。人の血を吸うのは犯罪だ。
吸血鬼の少女『冴原綾萌』はいつもいくコンビニで働いている人間の少年『山本頼雅』の血を吸う衝動に駆られる。ずっと彼を意識し、夢にまでみて、そんな自分に葛藤する。
吸血をあれだけエロく書く変態はあざの耕平くらいかと思っていたが、こちらもなかなかの変態っぷりである。本番(吸血)にいたっていないという点ではこちらのほうが寸止めの美学的に見てより変態度が高いかもしれない。


第二に時間と距離の生み出すエロスだ。
吸血鬼は陽の光を浴びれないゆえに日の暮れた夜の間に活動する。昼に暮らす人間『頼雅』と夜に暮らす吸血鬼『綾萌』が出会えるのは夜(吸血鬼にとっては朝)『頼雅』が親の店の手伝いをしている時間のみ。それも、夜が短くなる「ヴァンパイア・サマータイム」の間のみだ。
同じ学校の同じクラスという近しい関係だが、二人にとって互いの時間の隔たりは絶望的だ。いっそふたりとも吸血鬼になれば、そして「このまま、君と、灰に。」
この文言は文庫の帯にも書かれているのだが、書店で見ると目を覆いたくなるほどエロい。こんなけしからん文句を公の場に晒していいのか。


最後に直球的なエロス。
ライトノベルのラブコメ作品にはエロのスイッチというものがある。エロゲやアニメのように演出でエロシーンの切り替えができないライトノベルは主人公の意識でシーンを切り分ける。
エロスイッチがオンになると急にヒロインを意識しはじめて描写もやたら艶めかしくなる。だいたいのラノベ主人公はえろいことするときとしない時をくっきり分けている。物語が進んでいる時に急にムラっときたりしない。
しかし本作はほとんどエロスイッチオンである。主人公どころかヒロインまで発情期全開である。いつでもどこでもなんかムラムラっとしてる。そして感覚が鋭敏になっている。
真夏の夜のまとわりつくような蒸し暑さや、闇に吸い込まれるような静けさや、肌を流れる汗の感覚が、そのまま伝わってくる。
「ヴァンパイア・サマータイム」を読んだ夏の夜は、きっと一生忘れないだろう。


北海道はもう夏も終わりだが、本州ではまだ残暑が残る時節だろうか。
未読の方は夏の終わりに是非読んでみてほしい。



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