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さあ、あのリライトを「リアクト」しよう。

リアクト (ハヤカワ文庫JA)
「リライト」感想記事
「リビジョン」感想記事

ややこしい~~~~~なんでこんなにややこしいの~~~~~~~~
あ~~~~~ややこしややこしややこし~~~~~~~~~~~~~~


シリーズ第一弾「リライト」の真相が語られる。待望のシリーズ第三弾。
この感想は「リライト」「リビジョン」「リアクト」の内容に触れています。


結論的には第一巻の「リライト」は作中作だが、実際に起きるであろうことを書いたいわば予言の書であり、その未来のとおりにしないためにも「リライト」のとおりに「リアクト」しなければならない。
そのため本来は架空の人物であった大槻美雪を作り上げ、演じきり、「リライト」で描かれた絶望の未来を回避した。そういうことでいいのだろうか。
想定外のことも含めすべて本の通りに動いたことや、最初の本がどこから来たか、などの謎もあるが「リライト」に物語については一応の決着がついたが、同時にうまく煙に巻かれた気がしてならない。
今回、物語の中心人物である保彦についてはほとんど触れられることがなく、却って謎が深まるばかりであった。
失踪した保彦を捕まえるためにタイムパトロールが設立されたのなら、保彦は永久に捕まることがないと思うのだが。結局タイムパトロールとは一体なんだったのだろうか。


少し整理してみよう。


この世界ではタイムトラベルをしても過去は変えられない。過去を変えると、過去からつながる未来が変わる。「リライト」される。ゆえに「過去」を変えることはできない。
「リライト」は作中作であったが、読んだ保彦の反応からしてもそこで描かれた可能性は真だろう。
「リライト」だけなら問題はなかった、問題なのは「リビジョン」だ。確定した未来を映し出す手鏡。2巻で描かれたことが全て真実であればあの鏡にはまさしく「過去を変える」力がある。正確には過去ではなく「確定した未来へと続く現在」か。
これを前提に考えてみると、やはり「リライト」は起きていたのではないかと思う。
「リライト」の効果によって未来から来た保彦が現代に閉じ込められると、どういう因果か現代で生まれるはずの赤ん坊の保彦が生まれなくなる。だがそれは、未来を見る鏡によって防がれる。書き換えられるはずであった保彦の生まれる未来は、鏡の力により、成長した保彦がいる未来へと収束させるために修正された。
一人の女によって「リライト」されるはずだったものがもう一人の女によって「リビジョン」されたのだ。
この、起きなかった「リライト」が可能性として表れたのが岡部蛍著「リライト」なのではないかと自分は思う。そして今回の「リアクト」は「リビジョン」の結果なのだ。
「リライト」はされなくても「リビジョン」した未来につなげるためには「リライト」で行われた行為はすべて再現されなければならない。だから---。


ここまで考えてまたまた背筋がゾゾゾゾーッとしてきた。
ほんとに一体どこまで考えて作りこまれた物語なのやら。

リアクト (ハヤカワ文庫JA)

リアクト (ハヤカワ文庫JA)

リビジョン (ハヤカワ文庫JA)

リビジョン (ハヤカワ文庫JA)

リライト (ハヤカワ文庫JA)

リライト (ハヤカワ文庫JA)