面白く無いのは罪「Seven deadly sins を狩る」
作者様から献本をいただきました。
なんでも電子書籍で個人出版をしているとのことです。
「教会」という組織によって作られた心臓貫かれても首ちょん切られても死なない、キリストも真っ青の再生能力を持つ主人公が「七つの大罪」と言われる身体から毒を分泌したり空中から刃物を飛ばしたりする程度の超能力者を戦闘本能の赴くままになぎ倒していく話。
俺TUEEEEEE系ですね。レベルとしてはE6つ分くらい。
一言で評するなら、完成度が低い。
作者も自覚していると思うけれど、設定まわりがよく練りこまれていなく、苦しい展開や後付けの設定が目立つ。文章から妥協の色が見え隠れしている。
そして地の文の描写が少なくて何が起こっているのかよくわからない。
ほとんどのキャラが外見についての説明がなく、「スーツの男」だとか「少女」だとか、登場シーン以降も代名詞が「男」「女」のみのため同性のキャラクターが登場するシーンだと一見誰がしゃべっているのかわからない箇所が多々あった。
特殊能力を使った戦闘シーンもその能力がどんな能力なのかビジュアル的なイメージがしづらい。場所の描写も少ないため、今どんな場所で戦っているのかもイメージできない。地下研究所のようなところかと思えばいきなり屋外に飛び出したりして読んでいて混乱する。
そしてこれらの欠点よりなにより重大なのがこの作品から全く魅力を感じないことである。
好きなことをとことんやり通すという主人公像はいいのだが、化け物たちを狩るという目的が目的なため共感ができなく、物語に入れ込めない。
ヒロインについても特筆して語るところはなく、とにかくキャラクターに魅力を感じない。
バトルシーンも前述した欠点の通りビジュアルがイメージしづらく、そもそもに敵の能力がありきたりな上になんのひねりもない。バトルシーンに魅力を感じない。
七つの大罪を一人ずつ倒していくというストーリーからも面白みが感じられない。ストーリーに魅力を感じない。
教会や魔王、大罪などの設定は悪くはないと思うのだが、その設定が十分に練りこまれていないため物語のすべてが破綻している。
今一度設定から煮詰め直したほうがよい。