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「名探偵は推理しない」けど読者は推理する

名探偵は推理しない (創芸社クリア文庫)
「名探偵は最初から答えを知っていて、辻褄合わせをしているだけ」な超理論のなんちゃって推理モノだった。
作中で起きる事件にまったく興味を引かれない上にミステリ読みなら3秒で真相が解けるくらいの稚拙な謎々を「最初から答え知ってますよ」的にドヤ顔推理(実際にヒロインがドヤ顔をするわけではない)されてもイラつくだけで何も面白くない。
名探偵が特別優れているわけではなく、主人公も犯人も被害者も警察も総じて無能なのだ。ヒロインもわかってるならわかっているでさっさと解けばいいのに、辻褄合わせのためか本当はわかっていないのか一々推理をもったいぶる。イライラ度+1点。


主人公は他人の感情がわからないという設定だが、アスペルガーサヴァンの天才キャラといった感じではなくごくふつうの男子高校生だった。それ感情がわからないんじゃなくてただ単に涙もろくないだけじゃ・・・。
他にも感情がわからないとか感情剥き出しで訴えるようなキャラもいるし、全体的に作りが浅い。
作者はミステリが書きたかったらしいがこれが本当にミステリと思えるならミステリ舐め過ぎである。いずれにせよこんな中途半端なジャンルもなにもわからないような作品を出すべきではない。
ヒロインがエロ可愛かったのだけが救い。

名探偵は推理しない (創芸社クリア文庫)

名探偵は推理しない (創芸社クリア文庫)

緋の水鏡〈上〉〈下〉(くしまちみなと)読了

緋の水鏡〈上〉 (創芸社クリア文庫)
緋の水鏡〈下〉 (創芸社クリア文庫)


「貴様を倒して生き延びる!発火(カンパッション)!」
ん~~~~~~いいねいいねいいねこれは熱い
クトゥルフ神話と日本神話を合わせた伝奇モノなのだけど、和風な雰囲気をバッグにクトゥルフ神話の残忍で容赦のない展開が怒涛に押し寄せるのが楽しい。
情報の出方や展開の仕方でTRPG意識しているのかなとは思ったけど、どうやら元はノベルゲームのようで、道理で完成度が高いわけだ。


主人公の家系は神にまつわる一族で、そのおかげで主人公も人ならざる力を使えるのだけど、クトゥルフ神話の神々を前にしてはそんな力あってないような物だ。特殊な家系なのに敵を前にすると他の子供たちとなんら変わらない、しかしその家系ゆえに次々と化け物に狙われる悲惨さ。その悲惨な境遇の中でも己を鼓舞し、非力な力でも立ち向かっていく勇敢さ。そんな主人公を支える仲間たちの頼もしさ。しかし容赦なく押し寄せる異形のものどものおぞましさ・・・。
読めば読むほど世界観にのめり込まれていく。
なかでも見どころは日本神話の伝承に合わせて描かれる恋愛模様。ヒロインがほんとかわいくてかわいくて。メイド好きは必見。巫女好きにもおすすめ。


ラストは勢いで押し切った感があるけど、原作では他ルートもあるようなので拾われなかった伏線などはそちらで回収されていたりするのだろうか。原作ゲームをやる機会はおそらくないのでもし可能ならば他ルートも出版してほしいところである。

緋の水鏡〈上〉 (創芸社クリア文庫)

緋の水鏡〈上〉 (創芸社クリア文庫)


緋の水鏡〈下〉 (創芸社クリア文庫)

緋の水鏡〈下〉 (創芸社クリア文庫)