ラノベ感想サイトを騒がせた裁判ラノベ「リーガル・ファンタジー1」
作者様から献本をいただきました。
そう、一部のラノベサイト持ちが騒いでいたのはこの作品のことです!
まあ騒がせたというよりは勝手に騒いでただし、騒がせたのは作品じゃなくて作者だが。
編集部は作者献本を許可申請取るようにした方がいいんじゃないかな - Togetterまとめ
上のまとめの通り、最速フラゲ日に献本のメールをいただいたのだけれど。
なんでもあまりの嬉しさのあまり見かける本屋全てで自著を購入してしまったそうで、自分の書いた本がダース単位で有り余ってるそうなので(作品が)面白いと思った読者は励ましのファンレターを送ってあげてください。
肝心の作品そのものは、ざっくり言ってそこそこの出来かなぁといった感じ。
「今日もだらだら、読書日記。」のうららさんがものすごく的確なたとえをしてたけど
「FF」世界で「逆転裁判」かなと思って読むと「ドラクエ(しかもSFC時代)」世界で「リーガル・ハイ!」やってる感じ
まさにこの通りでパロディ要素も濃いので、前提知識としてドラクエぐらいはやっておかないと世界観が飲み込みにくいだろう。いや、ドラクエやってても正直わかりにくかった。
ドラクエのようなゲームファンタジー世界観で現実的な裁判をやるっていう発想は面白いけど、わりと設定がいい加減でどこまで現実的でどこまでファンタジーなのかが線引されていなく、そのせいであとから明らかになっていく裁判の要素ひとつひとつがどれもすごく後出し臭くなってしまっている。
もう少し設定を固めて序盤の段階から裁判の描写をきっちりしておくだけでこの問題は解消されると思う。
それ以上に問題なのが物語に入り込みにくいこと。そもそもメインである勇者弾劾裁判が読者に取ってわりとどうでもいい内容なのでもっと他に強い引き込みが欲しかった。被告である勇者はダメ人間で感情移入しにくいし、そもそも当事者意識が皆無。弁護側もあまり乗り気じゃないし、「負けたら国外追放」っていうのにもあまり危機感を感じない。読者としては勝っても負けてもどっちでもいいよねとなってしまって物語に全然引き込まれない。
唯一キャラクターに関しては魅力的に描けてるのでよかったがスミオとフィオナ以外の絡みが薄くてもやっとした。ウガとの絡みはもっとあってよかったと思うし序盤に出てたライバルっぽい娘たちはどこいったの?
せっかく女キャラだらけでかしましいんだからもっと百合を推せよ!!
- 作者: 羽田遼亮,三弥カズトモ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
- 発売日: 2014/01/30
- メディア: 文庫
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