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ラノベ作家は暴走していたのか


新人ラノベ作家が暴走したと聞いて、とうとう電撃小説大賞を受賞しラノベ作家デビューがきまったうーぱーさん(id:iris6462)のステマが発覚したのかと思ったらそんなことはなくて安心しました。電撃文庫はなにかとステマしたとかどうだって風評被害を受けているレーベルなのでうーぱーさんのデビュー作においてはちゃんとバレないようにマーケティングしていただきたい。

ただ、なんでもうーぱーさんではないけれど別の新人ラノベ作家が暴走して風評被害が発生しているらしい。まあ風評被害というか率直に言うと過剰反応だろう。

 

れーじ/午後12時の男 @le_jiと同様に、如月真弘@「山本五十子の決断」1巻発売中 @mahirokisaragi氏も、この「誤解」を解くような動きをすることは特になく、リプライに対してはむしろ積極的に不安に同調するような対応の方が多く見られました。 こういった作家たちの態度は、本人の最初の意図がどういうものだったのであれそれとは無関係に、「悪質」であると考えています。

暴走する新人ラノベ作家たち - 高度に発達した気遣いは、 気違いと区別がつかない

 

「誤解」を招くツイートするなという弁は完全に間違っているとは言えないが、そもそもtwitterというSNSの性質上、まったく誤読を招かないツイートというのは難しい。

それぞれの作家のツイートに対する反応を見ると、確かに間違った解釈をしている人もいるのだが、ちゃんとやりとりを読んでコメントしている人にはしっかり伝わっているように見える。大きな誤解を招くような表現ではないだろう。大きな誤解招くツイートというのは小林雄次のツイートみたいなもののことを言う。

「最近のラノベ読者は主人公がすぐに異世界に行かないと途中で飽きる」という誤読 - 主ラノ^0^/ ライトノベル専門情報サイト

意図的に「誤解」や「誤読」を狙ったツイートをしているのならば悪質といえるだろうが、そうじゃない場合にある程度の「誤解」が発生するのは致し方がない部分もあるだろう。小林雄次が意図的に誤読させるツイートしているわけではない。

意図とは別でも裏取りなく物事を断定的に話したりするのは、多くの人に誤解を招く「暴走」と言えるかもしれないが、例にあげられている作家二人とも、個人の観測範囲で完結した話、いわば与太話程度の物言いをしているだけで、なにかを勝手に決めつけて騒いだり、事を荒立てて暴走しているわけではない。彼らの発言のどこを取って「暴走」と読んだのか。意図は関係ないと言っているが、意図が無関係ならば「暴走」というのはあきらかに過剰表現のように思える。

そもそもに意図と無関係に「悪質」と断罪する正義って邪悪すぎるわ。

 

 

まあそれとは別にさらに私怨を列ねますけど。

 

普段から煽りまとめ作って「誤解」されても責任持てないって言っている人が、作家には責任持てという半端ないダブスタ炸裂させてて思わず鼻で笑ってしまった。悪質であるかどうかは関係ないんだよね?

プロ作家という肩書が重要とは言うけれど、ことtwitter内においては今回例にあげられている@le_ji氏よりも@srpgloveさんのほうがずっとフォロワー数が多いわけで、twitter内の言説の影響度を考えるのならば、@srpgloveさんこそ言葉の重みを考えて発言してほしいものである。

 

 

こういった、大げさ・紛らわしい情報をばらまく悪質なブロガーの影響力を押さえ込むために日々活動しているので是非とも応援お願いします。ほしいものリストは記事の下あたりに表示されると思いますたぶん。

 

 

ライトノベル原作のボードゲームについて

偶然の重なりかなんでか知らないけど、ライトノベル原作のボードゲームが立て続けに発売されるという事態が発生したので紹介をしましょうか

 

 

サクラダリセットカードゲーム

サクラダリセット カードゲーム

サクラダリセット カードゲーム

 

 

いまアニメや映画も絶好調のサクラダリセットのカードゲームです。

…っていうかサクラダリセットがカードゲーム化するってみんな知ってた?

自分は発売するまで気づかなかった。発売日を調べたらもう発売してた。どういうことなの

TVとかだとアニメに合わせてCMでもやっているんだろうか、dアニメストアでしかみてないからそこら辺はわからないがもっと宣伝しろよ。

 

さて、そんなサクラダリセットカードゲーム略してサラダゲームですが、ラブレターというゲームにかなり近い。というか大本になったのはラブレターだろう

ラブレターというのは姫にラブレターを届けるカードゲームで、その内容のバカバカしさに見合っためちゃくちゃシンプルな設計で誰でも遊べてすぐ盛り上がる神ゲーです。持っていない人は買おう

ラブレター

ラブレター

 

 サラダゲームの方は、戦略性を高くしたラブレターみたいな感じです。

山札の一番下に眠るマクガフィンを手に入れるために様々な能力を持つカードを駆使して、いかにして自分の手番にマクガフィンを取れるようにするか工夫する。そして現れるリセットのカード。盤面はそのままリセットされ、プレイヤーはリセット前の記憶を頼りに新たな計画を実行していく。

いやーすごく面白そうなゲームですね自分もまだやれていないんですけども、友達同梱しろ!

これ、ボドゲ好きがサクラダリセット見てないしサクラダリセット好きはボドゲに興味ないという深刻な問題が作用しているので、もっともっと宣伝とか布教に熱を入れたい

 

 

戦闘破壊学園ダンゲロス ボードゲーム

 

はい。というわけで、ここからはダンゲロスボードゲームを熱烈におすすめする記事となります。馬鹿め!ひっかかったな!!

クラウドファンディングによって実現したダンゲロスのボードゲームなのだが、原作の熱い戦闘がそのまま再現されていてめちゃくちゃ面白い

まずダンゲロスという作品について説明すると、100人に1人くらいの割合で特殊能力に目覚めて“魔人”化する世界で、そんな魔人だらけが集められた学校で魔人生徒会と魔人番長グループが凄絶な殺し合いをするという能力バトルモノで、次々と奇っ怪な能力を持った魔人が群像劇にように描かれ戦い、死んでいく様はバジリスクなど山田風太郎作品を思わせる痛快さがある。

 

そして個人的にダンゲロスで最も面白いと思うのは、全然役に立たなそうなゴミみたいな能力でも、他の能力と合わさることによりものすごい力を発揮する読者の意表をつく戦略性である。

例えば、敵味方問わず男を皆殺しにする能力を持った魔人と、性別転換能力を持った魔人が組んだら?

例えば老若男女どんな人であろうと絶対にレイプする能力を持った魔人と、規律を乱した者を即座に死刑にする能力を持った魔人が組んだら?

一見して意味がわからない、全く使えなさそうな能力でも使い方や組み合わせによってすごい力を発揮するぶっ飛んだ能力バトルモノ。それがダンゲロスだ。

投げたハンマーが爆発する能力の魔人に対して投げたものをそのまま反射する能力の魔人が対抗したり、脱糞した場所に蟻地獄を作り出す能力の魔人に対して、うんこを炎に変える能力の魔人が出てきたり、カレーの辛さを変える能力とか女子小学生のおしっこを操作する能力とか電車の女子高生乗車率を操作する能力とかそんな意味不明な能力で敵を倒す能力バトルモノだ。ね、面白そうでしょ?

そんな能力の組み合わせや使い方ですごい力を発揮するという原作の面白ポイントをそのまま再現してしまったのがボードゲーム版である。面白くないはずがない。

 

 

ゲーム内容は、まず最初は探索フェイズを行い、強いNPC魔人を倒して仲間にし自分のチームを強化していく。そして後半の決戦フェイズに全てのプレイヤー参加の乱戦を行い、最後に残った一人が勝つ。戦闘自体はダイス勝負で、運の要素が大きいが、魔人能力の組み合わせによってすごい力を発揮できる。

原作でも目玉となるコンボ、友釣香魚の男性殺傷能力「災玉」と両性院男女の性別転換能力「チンパイ」なんかは顕在で、コンボが決まれば相手パーティーを一撃で皆殺しにできる。原作にない組み合わせでも意外な能力が作用して盤面を狂わせていく

強い能力の魔人を揃えてもそのまま勝つとは限らない。決戦フェイズは文字通り乱戦。強いプレイヤーがいれば他の全員から狙われる。1対1なら圧倒できても、複数から狙われるとあっさり負けるようなゲームバランスなところも戦略性を深めている。最終的に勝つのは一人だが、それまでに誰と協力するのも自由だ。

 

 

公式のカードそのまま使って遊ぶだけでも数多くのコンボがあるのに、このゲームはオリジナルのカードを作って追加して遊ぶことを推奨している。すでに参加者全員がオリカを持ち寄って、本家カード排除の全部オリジナルカードによるゲームも遊ばれているほどだ。ゲームのシステムがしっかりしているのと、バランス調整をある程度プレイヤー間でのやり取りに委ねていることもあってか、好きな能力を作って投入しても破綻しにくい設計になっている。twitterに「#ダンゲロスDIYカードタグ」で様々なカードが製作されており、それらのカードを見るだけでも面白い。自分も何枚かのカードを自作し実際に遊んでみたが、自分の作ったカードで遊べるだけで楽しい。

 

 

無数の戦略性。突き抜けたアホな能力の応酬。最後の最後まで何が起こるかわからないゲーム展開。これだけ場が盛り上がって楽しめるボードゲーム他にないですよ。はい買いましょう。そして原作も読みましょう。

原作長編は現在3冊です。すぐ読めます。

コミカライズも2回されてます。いずれも素晴らしい出来です。読みましょう。

そしてみんなダンゲロスボドゲしましょう。オリジナルカード作りましょう。ゲームしましょう。(以下無限ループ) 

【公式】戦闘破壊学園ダンゲロス・ボードゲーム

戦闘破壊学園ダンゲロス (ちくま文庫)

戦闘破壊学園ダンゲロス (ちくま文庫)

 
ダンゲロス1969

ダンゲロス1969

 

 

戦闘破壊学園 ダンゲロス・ボードゲーム

 

ラノベの流行の変遷とか雑に書きかけ

うおおおおおおおラノベ歴史警察の出動だあああああああああああああああ

 


大筋間違えてないし言わんとしていることはわかるけどちょっと気になるところが大盛り山盛りてんこ盛りなので重箱の角にエビフライどーん!!

 

まずファンタジーから現代モノへの変遷は学園モノブームに拠るところが大きいだろう。実際90年台後半にはファンタジー主流の流れから「面白ければ何でもあり」の流れに向かいつつあって、当時の新人賞受賞作とか見るだけでもSFとかミステリとかなんでもありありだったが、そんな雑多なジャンルがひしめき合うなかで共通のキーワードが学園だったようにも思う。ファンタジー×学園とかSF×学園とかミステリ×学園とかね。前身となった「蓬莱学園」の影響も大きかったのかもしれない。一方でまだまだファンタジーも現役ではあり、それまでのファンタジーの流れを継承した学園ファンタジーの人気作が多く現れた。現代モノが増えたというよりは、学園モノが流行った結果、学園と食い合わせがいい現代ライクな世界を舞台にした作品が増えたって感じ。

「召喚教師リアルバイトハイスクール」(1997年刊)

ブギーポップは笑わない」(1998年刊)

フルメタル・パニック!」(1998年刊)

マリア様がみてる」(1998年刊)

 

 

00年台前半になるとポツポツヒットし始めていた異能バトルモノ。ラノベに限らず漫画でも多く描かれたジャンルだとは思うけど、ラノベ界隈のみでルーツを探るならばブギポに行き着くだろう。そんななかブギポの影から脱却してジャンルを確固たるものにしたのが(あとで書くかも

 

 

ラノベ天狗棍棒

好きな作品のアニメ化に喜ぶファンたちを晒して喜ぶ愉快なまとめがあったのでご報告します。

 

togetter.com

 

 

一部にラノベsageしてる雑ツイート混ざってるけど全体的に見ればファンが喜んでいるだけの何が悪いの? 何が駄目なの? 何が可笑しいの? 何が笑えるの?

たしかにキノage他ラノベsageしている人もなかにはいるから、そういう人に対して雑なラノベ語りしてんじゃねえよおらおらしねしねって呪詛吐くのはかまわないけど、このまとめの趣旨ってそうじゃないよね?

時雨沢恵一ライトノベルキノの旅 -the Beautiful World-』の二度目のテレビアニメ化決定を受けて、他のラノベ・最近のラノベとの違いが話題になっていたのでまとめました。 

 他のラノベと違うって話題がおかしいの? 他のラノベと違うと思ってはいけないの? 個人の感想をツイートしてはいけないの?

ラノベだけどラノベじゃない」いいじゃんそう思ったんなら。その人がラノベっぽくないと思ったのなら胸を張ってそういえばいい。別に誰かを害しているわけでもなし。

個人的にラノベだけどラノベじゃない」って発言は相当頭悪い言い回しだと思うけどいいじゃん。頭悪くても。変に言葉練り回すより、多少頭悪い言い方のほうが言いたいこと伝わることだってあるわけで。

 

ラノベだけどラノベじゃないラノベ!?『キノの旅』が再アニメ化! - Togetterまとめ

作者が痛いと読者も痛い3大ライトノベルキノされ龍ログホラ

2017/03/13 14:04


なにが痛いの?

作者と読者に関係あるの?

 

ラノベだけどラノベじゃないラノベ!?『キノの旅』が再アニメ化! - Togetterまとめ

通ぶってる感じが笑える

2017/03/13 14:32

通ぶっちゃ駄目なの?

好きな作品持ち上げると通ぶってみえるの?

 

 

邪気のない感想さらして通ぶってるのはおまえらじゃねえのかよ

良いも悪いも全部一緒にまとめて人を笑うのやめろ

原作がラノベであるかどうかは関係ない

いまさら翼といわれても

d.hatena.ne.jp

古典部〉シリーズがラノベじゃないと思う人がいてもラノベだと思う人がいても別にいいんだけど
ラノベじゃないからラノベのように実写化で騒ぐのはおかしい」という主張はおかしい

一理もなにもない。

 

 

原作が小説だろうと漫画だろうとラノベだろうと、何度アニメ化してようと実写化してようと、読者のなかにはそれぞれのイメージがあるはずで、それを壊されたことにショックを感じるのは当然だろう。すべてのメディアミックスが読者のイメージ通りならそれはすごく幸せなことだが、残念ながらそういう作品のほうが稀であるし、原作のイメージを打ち壊すような戦略が立てられることすらあるのだ。小説の実写化で原作ファンが苦言を呈する例なぞ枚挙に遑がない。

 

古典部〉シリーズのようにメディアミックスのイメージが原作でのイメージ以上に認知を得ることも多い。そうした作品は、他のメディアミックスをする時、それがどれだけ原作のイメージに近づけようとしていても、非難の声にさらされることがある。

人種問題が絡んでいるから難しい例ではあるが、ハリポタは原作→実写→舞台というメディアミックスで大きな論争に。人種の話は置いておいて、最初の実写のイメージが強すぎるので次にどんなキャストにしても反感を抱かれるのは避けられないのではないかと思う。

日本の実写化の例。アルジャーノンの二度目の実写化はユースケのイメージが強すぎるっていってた人が多かったように思うが、そもそも一度目の時点で実写化反対の声も多かった。

 

 

開ける前は鬼が出るか蛇が出るか不安に思う声があがるも、実際に蓋を開けてみれば好演で、元のイメージともそぐわなくてなんてこともある。やいのやいの騒げるのは今のうちだろう。騒げるうちに騒げるだけ騒ぐのがよいのではないかと思う。実写キャストがイメージと違うという声も、いままでのイメージと違うという声も等しくファンの意見でありおかしさはなにも感じない。

 

あわせてよみたい


『バビロン2』絶望の話

 

バビロン 2 ―死― (講談社タイガ)

バビロン 2 ―死― (講談社タイガ)

 

 

1巻のレビューは他サイトで

https://shimirubon.jp/reviews/1674379

 

 

続きを読む

『この恋と、その未来。』森橋ビンゴは「一般向け」なのか?

この恋と、その未来。 -一年目 夏秋- (ファミ通文庫)

この恋と、その未来。 -一年目 冬- (ファミ通文庫)

 

ここ数日森橋ビンゴ作品は一般向けだからラノベ読者受けしない」みたいな言説が散見されるが、みんなに内緒で女の子と同性生活っていう思春期男子の股間に豪速球ドストレートな設定が読者からカテエラ判定されると思えないのだけど、その他のビンゴ作品にしても、この森橋ビンゴという作家は若者の繊細な感情の揺れ動きと思春期男子の股間の揺れ動きに関しては他の追随を許さぬ迫真の描写を続けてきて、それが評価されてきたんじゃないのか。イマイチ人気が出ない理由はいろいろあるのだろうけど、カテエラだからというのは大きな理由ではないと思う。

 

じゃあカテエラじゃないのに人気でないってなんなんだよとはなるだろうが、森橋ビンゴ作品は人に勧めづらいというのが原因の一つとしてあるんじゃないかと思う。

自分も森橋ビンゴ作品好きで、常々他人におすすめしてきたわけだけれども、どうも言葉を濁し気味にしてしまう部分があって、特に今回読んだ『この恋と、その未来。』2,3巻にはそういった部分が凝縮されていたように感じる。

 

この恋と、その未来。』2,3巻では、主人公のイヤな部分を徹底的に見せつけられる。一応、未来のことやまわりのみんなのことをちゃんと考えて行動しているような描かれ方をしているが、実際こいつ自分のことしか考えてないよね。周りの友達どころかヒロインである未来の姿まで見えていない。盲目状態。やることは全部から回っていくしなあなあを嫌ってなのか、あえて未来と距離を取る選択をしつづける一人相撲。俺はあいつのことを想って、ゆえに苦悩している――スイーツ(笑)。本当に頭の中が全部糖で出来ているんじゃないかってくらいの自己完結型恋愛脳で吐き気を感じるレベルのゴミクズ主人公っぷりである。

いやまあ散々貶したけど、一人の女の子のために頭抱えて悩んで意味不明な所業を始めるというのは思春期男子の行動描写としてはかなりリアリティあるし、そういう暴走気味なところもありながら前進してくれればそれはそれでよかったのだが、この主人公はどこまでも煮え切らない。

自分にクズの自覚があるなら直せばいい、直せないなら開き直ればいい。そんなスタイルならばまだ肯定できるし、共感もし得たが、この主人公は――というかこの森橋ビンゴという作家は、自らの欠点にある程度自覚的でありながら、それを改めたり視点を変えたりはせず、欠点のある自分をそのまま誰かに肯定してほしいという甘えがある。

要するに自分を自分が肯定できないから、誰かに肯定してほしいというお子様な承認欲求が隠しきれていないのだ。そういった思考が行動に出ているからどうにもガキっぽいし読んでいて気持よくない。かえって胸糞悪い。難しい恋だってわかっているのならさっさとどうするか決めてしまえばいいのにうだうだうだうだ3巻もかけやがって。

結局この作品が描いているのは性同一性障害の女の子と男の子の難しい恋愛」ではなく「性同一性障害の女の子を好きになってしまったこの俺の苦悩」なので、正直この巻まででも性同一性障害という題材を上手く扱えているとは言いがたいし、「ヒロインは性同一性障害の女の子」というキャッチから内容が気持ち悪い方向に乖離しすぎていて、人に勧めづらい。というか勧めるのがめんどうくさい。「いいから黙って読め」といえるような作品ではない。

 

しかし、この主人公の気持ち悪さはこの作品の確かな魅力でもある。だって、実際に中高生男子って気持ち悪いもん。同意も肯定も共感もしないけど、この思春期男子の気持ち悪さのリアリティ具合は他の作品で読めるものではない。ゆえに自分は森橋ビンゴ作品の主人公が吐き気を催すほど嫌いだが、森橋ビンゴ作品は大大大大大好きマジ愛しているのである。

誰だってみんな承認されたいに決まってるじゃんか。少しは他人のこと考えろバーカバーカ!

勝手に承認されろクズ!!